20世紀少年｜カンナの父親は誰だったのか？【漫画・映画版】

本記事では、20世紀少年・21世紀少年の「カンナの父親」について解説してきます。

結論から言うと、映画版は”ともだち”が父親。漫画版は不明です。

映画版では”ともだち”が父親であると名言されているが、漫画版の場合は影武者の可能性があるんです。

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20世紀少年｜カンナの父親は誰なのか？

カンナの父親は、漫画版・映画版ともに”ともだち”であるが、人物は異なります。

映画版での父親はカツマタ

映画版でのカンナの父親は、「カツマタ」です。

カツマタは遠藤キリコに「池上正人」と名乗って近づき、カンナが生まれました。

しかし、正式に籍を入れていたわけではないため、カンナは遠藤の姓を名乗っています。

カツマタがなぜ「池上正人」という名前を使った理由は明らかではありません。

ただ、万引きの冤罪でカツマタをいじめた中心人物が「フクベエと池上正人」だったため、この二人への復讐の意図があったのだと思われる。

カンナはフクベエの子だと勘違いされやすいですが、映画版ではフクベエは小学5年生の時に亡くなっています。

漫画版での父親は不明

漫画版でのカンナの父親は、不明のままです。（ “ともだち”の子であることは間違いないです。）

連載当時の通常版では、フクベエが一人目の”ともだち”、カツマタが二人目の”ともだち”と認識されていました。

そのため、第3巻の第169回ともだちコンサートで”ともだち”自身が「カンナは自分の子だ」と発言していることから、フクベエがカンナの父親だとわかる。

また、第20巻ではカンナの母である遠藤キリコも「カンナの父親はフクベエ」と発言しています。

しかし、2016年から2017年に出版された完全版の最終話で、「フクベエは小学校を卒業してすぐの春休みに死んだ」とケンヂが明言しています。

つまり、カツマタが最初から”ともだち”であったことが明らかになりました。

方程式通りなら、「フクベエ＝カツマタ」の場合、「カンナの父親＝カツマタ」となります。

しかし、キリコは「”ともだち”はカンナには手を出さない」と発言していたのに、カツマタはカンナを絶交しようとするため、行動に矛盾が生じています。

さらに、カンナ自身もカツマタと対峙した際に「自分が知っている”ともだち（父親）”とは違う」と言い切っています。

こうした矛盾が生まれるため、カンナの父親の正体は謎のままなんです。

推察｜カンナの父親は”ともだち”の影武者

原作ではカンナの父親が誰かは明確にされていませんが、推察してみました。

結論から言えば、カンナは「”ともだち”の影武者の子」の可能性が高いです。

“ともだち”には影武者がいる

まず前提として、”ともだち”には複数の影武者の存在しており、それは作中でも明確になっています。

例えば、第14巻では、複数のキャラクターがほぼ同時に”ともだち”を見かけたり、対面している。

完全な同時ではないにしろ、明らかに”ともだち”が複数存在しています。

第19巻では、殺し屋（敷島ミカをナンパした男）が”ともだち”に向けて、「あなた、こないだの人と同じ人？（引用：19巻P178）」と発しており、キリコと”ともだち”が結ばれる前から影武者はいることがわかる。

第20巻では、カンナが”ともだち”に向かって「あなたみたいな影武者が、何人いるの？（引用：20巻P137）」と発しており、“ともだち”自身それを否定していません。

また、2015年元旦に理科室でヤマネに暗殺された”ともだち”も、影武者であることが明らかになっています。※浦沢先生ご本人が「漫道コバヤシ第51回」で明言している。

“ともだち（父親）”はカンナに手を出さない

繰り返しになるが、20巻で登場する”ともだち”がカンナの父親でないことが明らかで、カンナ自身も”違う”と言い切っている。

さらに、キリコの発言から”ともだち”はカンナには手を出しません。

しかし、20巻での”ともだち”（カツマタ）はカンナを絶交しようとしました。

カツマタがカンナの父親であれば、キリコの発言と矛盾しますよね。

ただ、20巻での”ともだち”が影武者であったという可能性も否定できません。

では、22巻第11話（正義を守る男）で「校庭の指揮台に立ってロボットを遠隔操作し、カンナを人質にした”ともだち”」はどうでしょうか。

この”ともだち”は、間違いなくカツマタです。

メタ的な視点で見ても、ケンジが最後に対峙するのが影武者では物語のクライマックスが盛り上がりに欠けるため、カツマタであることは間違いないでしょう。

また、ケンジが万引きの件を謝罪した際に動揺していたことや、円盤墜落後に”あの歌”を望んだことからも、カツマタであることが明白です。

つまり、「影武者」と「キリコの考え」を照らし合わせると、カンナは「”ともだち”＝カツマタの子」ではなく、「フクベエと思われていた影武者の子」という推察が成り立ちます。

しかし、高須や友民党の中枢にいた女性も”ともだち”の子を妊娠していたことを考えると、カンナという存在が不要になった可能性もある。

そのため、100%とは断言できない。

カツマタの狙いは「ケンヂへの復讐」が軸にあるため、影武者にさせるよりも自身でやらないと意味ないですよね。（筋は通る説だが、内心腑に落ちていません。）

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20世紀少年｜”ともだち”とは括られた存在

浦沢先生のインタビュー本『描いて描いて描きまくる』によると、”ともだち”とは誰でもなく、括られた存在とのこと。

「”ともだち”は誰」というよりも、不気味な存在である方が大事だそうです。

つまりは、カンナの父親は「”ともだち”という存在」であって、誰というのは重要ではないようです。

解き明かすのは野暮であり、そこにフォーカスして描いていなかったことがわかる。

カンナと”ともだち”に関しては、矛盾点が結構あると言われているが、影武者という設定をいれることで整合性はとれますからね。

もしも20世紀少年の完全版を読んでいないなら、ぜひご自身で結末を確認してみてください。それくらい価値のある作品ですよ。