おやすみプンプン解説｜翠はクズなのか？

「おやすみプンプン」とは、浅野いにお先生による日常系青年漫画。

2007年より週刊ヤングサンデー、その後2008年から2013年までビッグコミックスピリッツで連載。全13巻で完結済み。

本記事では、おやすみプンプンで登場する「大隈翠」について解説していきます。

翠は、プンプンの叔父雄一の彼女。基本的には優しく、面倒見の良い人だが、闇を抱えている一人。

大隈翠の人物紹介

おやすみプンプン 2巻から引用 浅野いにお / 小学館

翠の初登場は第4話

大隈翠の初登場は、第4話でかなり早い段階から登場している。

当時は、23歳。プンプンの母親が入院していた市内病院のナースとして勤務。

プンプン母に好かれており、退院時には祝いとして「幸福の木」を贈ってくれた。

翠の再登場は第23話

翠の再登場は、第23話。プンプン母の入院から2年後である。

25歳。実家暮らし。

労働条件の厳しさ等の理由で、病院からは退職。

高校時代から憧れていた喫茶店経営を目指して、カフェでアルバイト（店員）をしている。

雄一との再会は、喫茶店に雄一が来店し、注文したナポリタンをひっくり返してしまったことがきっかけ。

翠の性格

翠の性格は、少々ドジな側面もあるが、面倒見がよく優しい性格。

異性に交友に関しては、消極的で人見知りなタイプですが、雄一だけは例外。

雄一を直感的に好きになってしまい、ほぼ初対面なのに食事に誘っていた。

翠と雄一が付き合うきっかけ

雄一は、翠が自分に抱いている好意を理解しながらも、自身の過去のトラウマから「翠を傷つけたくない」「自分には恋愛する資格がない」と感じ、彼女との距離を置こうとします。

それでも翠は、雄一の過去を受け入れ、変わらず彼に対して好意を寄せる。

雄一の過去と向き合うために、二人は雄一がかつて働いていた陶芸教室を訪れます。

翠のおかげで過去を清算できたものの、雄一は自分が過去の贖罪を生きる目的にしていたという事実に気づき、絶望のあまり自殺を図ります。

その瞬間、翠が駆けつけて雄一を救出。

この出来事がきっかけで、二人は付き合うことになる。

翠がクズと言われる理由

プンプンの母親に好かれ。雄一を助けた翠が、なぜクズと言われてしまうのか。

それには、雄一と翠の身勝手な行動が関わっている。

① 雄一のクズ行動

翠と付き合った後に、雄一は失踪した。

原因は、職場の陶芸教室に通っている既婚者との不倫。そして、200万の慰謝料を請求されたこと。

翠を裏切ってしまった上に、プンプン母に200万円を立て替えてもらう始末となる。

しかし、プンプン母は快諾し、翠も雄一を許してしまった。

雄一は、自身のクズ行動だけではなく、周囲の優しさによって罪悪感が膨れ上がり、耐えられず逃げてしまった。

② 翠のクズ行動

雄一の失踪後、翠は傷心する。

彼女は、自分の力で雄一を成長させ変えられると自負していたが、結果何ひとつ成長していなかった。

それに対する絶望と共に、雄一への仕返しを探していた。

そして、自身の寂しさを埋めるために、雄一の面影があるプンプンと半ば強引に一線を超えてしまう。

彼氏の姉の子供に手を出すという、とんでもない行動にでるんですよ。

この出来事が原因で、プンプンは翠と距離を置くこととなる。

② 翠のクズ発言

おやすみプンプン 5巻から引用 浅野いにお / 小学館

その後、翠は雄一と結婚しており、彼の実家で平穏に暮らしていた。

話を聞くと、プンプンと最後に会った次の日に雄一が帰ってきたという。

翠は何事もなかったかのように振る舞い、プンプンに向けて「私ね、今、すっごく幸せなの。だから…わかるよね？（引用：おやすみプンプン5巻56話）」と言葉をかけます。

自分の行いを黙殺するように圧をかけ、蓋をした。

この大人の身勝手な行動が、当時高校生のプンプンの闇となり大きくレールを変えてしまう。

単純に見れば翠のクズ行動ばかり目がいきがちだが、雄一がきっかけを作っているので共犯ですね。

翠と雄一の結末とは？

雄一と翠は、過去を洗いざらい話し合い、結婚する。

翠は、雄一と出会った喫茶店を借りて経営しており、順調に進んでいる。

そして二人には子どもが誕生し、名前は小野寺蒼空（おのでら そあら）と名付けられました。（雄一案の亀太郎じゃなくて良かった…。）

完璧なハッピーエンドとは言い難いものの、幸せな結末を迎えた。

「おやすみプンプン 翠」に関する口コミ・感想

おやすみプンプンとやら、読めてないので何もわからんけど、「翠が一番好き」というツイートと「翠が怖い」というツイートが同時に流れてきて余計にわからんくなった

引用：X

おやすみプンプンで翠さんがプンプンの童貞奪うシーンが鬱と淫が同時に突き上げてきて最悪であり最高

引用：X

裏サンデーの全巻イッキ読みでおやすみプンプン読んでるんだけど、真面目で清純そうなふりしておきながら、翠って本当にろくでもない女。多感な男子高校生が、実の叔父と穴兄弟になることがどれだけその後の人格捻じ曲げることになるかわかっとんのか。でも可愛い。

引用：X

おやすみプンプンは翠さんの「わかるよね？」がイチバン怖ェっス

引用：X

評判を聞いて、完結済みの「おやすみプンプン」を一気読みしたときはすごく消耗した。翠ちゃんがプンプンにしたことは本当にかなしい。プンプンの人生のレールが愛子ちゃんで、翠ちゃんが水を差し岐路を変えて、ああもう、何度だって読むけれど、プンプンの世界は決して覆らないのだ。

引用：X

おやすみプンプン、翠さんがあの後ずっと優しくプンプンの世話を焼いてるのがいちばんなまなましくてこわかったな…人生…

引用：X

おやすみプンプンの5巻で翠さんの「自分のこともよくわかってないくせに…一人前に私は他人(ひと)とわかり合える気がしてたんだ……」ってセリフがめちゃくちゃ刺さるんだよな。

引用：X

おやすみプンプンをお得に読む方法

浅野いにお先生の作品には、「おやすみプンプン」以外にも、「ソラニン」「うみべの女の子」「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」など作品があります。

プンプンが好きなら「虹ヶ原ホログラフ」あたりもおすすめです。

興味があれば、ぜひご確認ください。

本記事のまとめ｜おやすみプンプンの解説。翠はクズなのか？

『おやすみプンプン』の大隈翠にフォーカスして解説しました。

登場時は清廉潔白なイメージですが、物語が進むにつれてその闇の部分がしっかり描かれています。

特に怖いのが、一線を超えてしまったプンプンに対して、その後も世話を焼くところです。

罪悪感みたいなものを感じないんですよね。もしくは、よほど神経が図太いか…。

ただ、この生々しい人間描写が、『おやすみプンプン』の魅力でもある。

興味があれば、ぜひ再読してみてください。