「おやすみプンプン」とは、浅野いにお先生による日常系青年漫画。
2007年より週刊ヤングサンデー、その後2008年から2013年までビッグコミックスピリッツで連載。全13巻で完結済み。
- おやすみプンプンが気持ち悪いと言われる理由。
- おやすみプンプンをおすすめできる/できない人について。
本記事では、上記について解説していきます。
おやすみプンプンは、気持ち悪い?読まない方がいいのか?
結論から言えば、「気持ち悪い」とか「読まない方がいい」とは思いません。
『おやすみプンプン』は、プンプンという少年の少年時代から大人になるまでの、心の葛藤と成長を描いた日常漫画です。
物語は、主人公プンプンと転校生の田中愛子との出会いから展開されますが、普通の恋愛漫画とは異なり、登場人物たちの痛々しいほどリアルな人間模様や葛藤がリアルに描かれている。
鬱屈としたダークな展開が多く「気持ち悪い」と表現できてしまうが、それがこの作品の魅力。つまり、漫画特有のご都合展開みたいなものは皆無。
一部ショッキングなシーンも描かれていますが、過剰な暴力や目を背けたくなるようなグロ描写は控えめです。(手足が吹き飛んだり、首ちょんぱはされません。)
登場するエピソードが、「離婚・不倫・毒親」など、現実に存在するものばかりなので、共感性が高い人は簡単に自己投影できてしまう。
だから、フィクションとわかっていても、自分の人生や人間の弱さについて考えさせられ、読者に深い影響を与える。
読者自身を掘り下げる「一種の鏡のような作品」となっています。
鬱漫画の代表格ではあるが、他の漫画にはない唯一無二な作風であり、可能であれば一度読んで欲しいです。
おやすみプンプンが気持ち悪いと言われる理由
- 自己投影でき共感できるから気持ち悪い
- 人間の欲望/異常性が見えて気持ち悪い
- 性衝動が多く気持ち悪い
- 人の心を掴む表現力(セリフ・ストーリー)が気持ち悪い
- 感想を表現できない気持ち悪さがある
- 主人公がウジウジして気持ち悪い
- 意味不明な宗教団体が気持ち悪い
- 好んでいる人がサブカル好き変わり者風で気持ち悪い
上記は、SNSやレビューサイトから集約した意見です。
一見これらはネガティブなように感じるが、このジャンルの漫画であればむしろ褒め言葉。
実際にどの意見も正しい。
清廉潔白なキャラクターはほぼおらず、誰かしら闇を抱えていて、全体的に憂鬱な雰囲気になっている。
意外と多かったのは、「なんか気持ち悪い」という意見。
これには、めちゃくちゃ共感できる。
普通に生きているだけなのに、気がつくと闇落ちしており、全員が不幸になっていく。加えて、サイドストーリーや比喩表現も多いからか、掴みどころが無く、気持ち悪さを言語化するのが難しいのです。
だけど、独特の空気感や、リアリティのある会話によって、引き込まれる内容となっています。(特に雑談のセリフ周りが巧み。)
生優しい表現もないし、都合の良い展開もない。現実という厳しさが描かれています。
ただ、作中に登場するペガサス合唱団という宗教団体など、一部意味不明な描写が多く見られるのも事実です。
これらのエピソードは、サイドストーリーとして展開されるため、初見の読者には理解しづらく、読み飛ばす人も少なくありません。
そのため、『おやすみプンプン』を十分に楽しむためには、拾うべき情報をきちんと拾う必要があり、それができないと伏線すら読み取れず、消化不良となる。
つまり、変な不快感・虚無感だけが残ってしまうのです。
おやすみプンプンを読まない方がいい人
- 王道漫画が好きな人
- 共感性が乏しい人
- 文量が多い作品が苦手な人
- 鬱展開が苦手な人
- メンタルの弱い人
『おやすみプンプン』は、上記のような人にあまりおすすめできません。
サブカルチャーの代表作として知られており、その陰鬱なストーリーは一部のファンから熱烈な支持を受けていますが、王道漫画のような爽快感やわかりやすさを求める方には合わない可能性が高い。
意味深な謎の表現やシュールなノリも多いからです。
また、この作品を読むと、学生時代の後悔した初恋や家庭環境、トラウマに向き合うことになるため、世間の厳しさを達観している人には「若いな…なんて生産性の悪いドラマだろう…」となる。
つまり歳を重ねるほど共感できません。
共感できなければ、物語の鬱々としたムードが永遠と続くだけに感じ、苦痛を覚えるでしょう。
(共感できない人を否定しているわけではありません。その人の人生や価値観があり、合う合わないがあるのは当然なので)
逆に、プンプンの感情や状況に強く共感できる人は、追体験でき、作品の影響を強く受けることになります。
特に感受性が高く、共感力が強い人は、鬱展開に引き込まれやすいため、読む際には注意が必要です。
おやすみプンプンはどんな話
先述したが、『おやすみプンプン』とは、プンプンという少年の幼少期から大人への成長を描いた物語です。
プンプンは一見普通の少年ですが、家庭環境は少々複雑。
物語は、転校してきた田中愛子にプンプン一目惚れするところから始まります。
二人の関係は、徐々に近づいていくが、プンプンが、愛子との約束を破ってしまったことがきっかけで疎遠となってしまう。
プンプンは、初恋の呪いに縛られ、思春期の葛藤や苦悩を経験していく。
ヒロインの田中愛子は、母親が宗教家であり、学校が休みの日には布教活動に付き合わされている。
さらに、彼女は日常的に虐待を受けており、体にはアザが多数ある。
母親は、愛子を犠牲にしてでも宗教を優先する毒親だった。
物語を通じて、人間関係が繊細に描かれ、暗い人間ドラマが繰り広げられます。
そして、プンプンと愛子が迎える結末は、とんでもない方向に進んでいく。
普通に生きているだけなのに、少しずつ不幸になるプンプンの姿が、読者を闇に引き込んでいきます。
「おやすみプンプン 気持ち悪い」に関する口コミ・感想
王道好きならおやすみプンプンは×
ハッピーエンド&バッドエンドとも言えない最終回やシュールな場面ダークな部分ありで好き 最終回だけなら最高のハッピーエンドだけどハッピーエンド=皆んなが幸せとは限らないと言うリアルなシーンが好き 主人公の心境の変化を見ると大人になるってなんだろ
引用:X
「ソラニン」の作者の浅野いにおさんの作品ほとんど読んだけど、どんな人生送ったらあんな漫画描けるんだろう 「おやすみプンプン」がホントに気持ち悪い。すごい好きなんだけど読んでて気持ち悪くなって辞めてまた読んでしまう。
引用:X
おやすみプンプン、最初の印象「気持ち悪い」「よくわからない」が大きかったけど、現実味のあるキャラクターと刺さる台詞と伏線回収、ネット上の考察のおかげで鬱漫画という感じがあまりしなくなっています、深くてよいね
引用:X
おやすみプンプン全話読破。前半が精神的に辛くて挫けそうだったけど後半は大丈夫だった。 想像していたより読後感は悪くない。個人的にはむしろあそこまでいってこの終わり方なら良き終わり方とすら思う。最終回のプンプンの最後の行動見てちょっと泣いた
引用:X
俺ね、おやすみプンプンを気持ち悪いって言う人はね、今までの人生で何かしらの人間の闇に触れることがなかったからだと思う。 外野から見るイジメとかじゃなくて 例を挙げるなら マジで終わってる家庭環境 人を憎むほどやった受験勉強 好きな人に対する拗らせ これらが闇だと思う。
引用:X
#おやすみプンプン 全巻読破しました 鬱漫画って言われてるけど そこまでの鬱要素は無く 寧ろハッピーよりな気持ちで楽しく読めました めちゃくちゃ良かったからまたボンヤリ忘れてきたころに読み直します 画像の三名が特に好き 漫画家の人とか清水と一緒にいるやつも好き
引用:X
読むのがきつすぎてしばらく中断してた、おやすみプンプンを読み切った。本気で読んだ。本気で読まなきゃ読み切れなかった。ほんとにきつい。読んだのを本気で後悔してるけど、でも読んで良かったとも思う。あの終わり方は正解だと思う。正解だからこそきつい。
引用:X
おやすみプンプンをお得に読む方法
浅野いにお先生の作品には、「おやすみプンプン」以外にも、「ソラニン」「うみべの女の子」「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」など作品があります。
プンプンが好きなら「虹ヶ原ホログラフ」あたりもおすすめです。
興味があれば、ぜひご確認ください。
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本記事のまとめ|おやすみプンプンは気持ち悪いでは括れない名作。
『おやすみプンプン』の魅力は、単にストーリーが面白いというだけではありません。
作品を通じて展開される、心に深く突き刺さる言葉や、エピソードの細やかな積み重ねが特徴です。
描かれるキャラクターたちの複雑な感情に、どれだけ共感できるかが、楽しむ上で非常に重要となります。
Amazonや漫画サイトなどのレビューでは、平均★4ほどあるので、その魅力は多くの読者の共感を得ている。
名作なのは、間違いない。
ただ面白いからではなく、人生のリアリティを捉えた深さにあると言えるでしょう。